ドナーの条件は?
- 自発的な申し出であること
- 20~60才
- 夫婦もしくは 4親等以内の方
- 血液型がレシピエントと同じか、輸血できる血液型であること
- 心臓や肺機能に異常が無い( 気管支喘息などがない)健康な方
- 脂肪肝がない方
ドナーの適応基準は?
以下の疾患又は状態を伴わないこと
- 全身性の活動性感染症
- HIV抗体、HTLV-1抗体、HBs抗原などが陽性
- クロイツフェルト・ヤコブ病及びその疑い
- 悪性腫瘍(原発性脳腫瘍及び治癒したと考えられるものを除く)
以下の疾患又は状態を伴う場合は、慎重に適応を決定する
- 病理組織学的な肝臓の異常
- 生化学的肝機能検査の異常
- 1週間以内の腹部、消化管手術及び細菌感染を伴う腹部外傷
- 胆道系手術の既往
- 重症糖尿病
- 過度の肥満
- 重症の熱傷
- 長期の低酸素状態
- 高度の高血圧又は長期の低血圧
- HCV抗体陽性
摘出されたドナー肝については、移植前に肉眼的、組織学的に観察し、最終的に適応を検討することが望ましいとされています(移植担当医の判断に委ねる)。
傷はどれくらい?
- 上腹部に逆T字型につきます。 残った肝臓は3ヶ月くらいで元の大きさに戻ります。
- 肝臓が元の大きさに戻れば、術前と同じくらいの日常生活に戻ることができます。
ただし、アルコールについてはお飲みになることができようになるまで?ヶ月間かかります。(個々の状態により異なります) - 成人のドナーから成人のレシピエントに提供する場合、提供する肝臓のサイズがレシピエントの肝臓の30%を超えていることが必要です。
- 肝臓のサイズは、CTを使って計算します。
入院期間はどれくらい?
- 手術前 1週間と、手術後 3 週間くらいです。
- 職場復帰は、問題なく経過すれば 2ヶ月で可能です。なお、力仕事の場合は3ヶ月ほど経過した後にして下さい。
リスク(危険性)について
- ドナーになられた世界中の2,000から3,000名の中で、少なくとも4~6名の方がお亡くなりになっています。なお、日本では今のところ亡くなった方はいません。
- 肝臓をとった後、空洞ができた所に胃 が落ち込み、食べ物の通過が悪くなることがあります。また、予期せぬ出血があったり、肝臓の切断面から胆汁が漏れ出ることもあります。
費用について
- ドナーの検査や手術の費用は、移植を受ける方の費用にふくまれます。
(移植を受ける方の費用としては、移植全体として、1,500万~2,000万円かかります。医療保険が効いた場合、300万~400万のご負担になることが多いです。) - 費用については、医療福祉相談室で相談に応じています。
- ドナーとしての検査を進めた後でドナーにならなかった場合、検査の費用は自費負担となります。
日常生活で注意することは?
- アルコール・たばこは、やめましょう。
- 脂肪肝の方は油っぽい物は控え、運動をしましょう。運動は水泳や、ウオーキングなどを続けましょう。(脂肪肝の場合は、移植ができません)