小児の患者さん

対象となる疾患

信州大学では以下のような小児患者さんの疾患に対して造血幹細胞移植を行っています。

  • 急性白血病
  • 慢性骨髄性白血病
  • 若年性骨髄単球性白血病
  • 骨髄異形成症候群
  • 悪性リンパ腫
  • 小児固形腫
  • 再生不良性貧血
  • 先天性好中球減少症
  • 血球貪食性リンパ組織球症
  • 原発性免疫不全症など

治療成績について

信州大学医学部小児科では、1981年に第1例目の兄弟間骨髄移植を施行して以来、これまでに(2006年10月現在)115例の造血幹細胞移植を行ってきました。

現在は、信州大学医学部附属病院の東4階病棟(小児科病棟)に移植用無菌室2室内で、年間10例前後の同種造血幹細胞移植(骨髄移植、臍帯血移植、末梢血幹移植)を施行しています。

血縁者間骨髄移植 47例
血縁者間末梢血幹細胞移植 19例
血縁者間臍帯血移植 1例
非血縁者間骨髄移植(骨髄バンク) 15例
非血縁者間臍帯血移植(臍帯血バンク) 8例
自家骨髄・末梢血幹細胞移植 25例

このような移植実績から、当科は骨髄移植推進財団 (骨髄バンク)および日本臍帯血バンクネットワークから移植施設認定を受けています。

また、骨髄移植推進財団の骨髄採取施設として、年間3-5例のバンクドナーの骨髄採取も担当しています。

治療成績の向上を目指して

当科の造血幹細胞移植は以下の点に力点を置き、移植成績の向上とともに患者様のQOLの改善に努めています。

移植後ウイルス感染症のモニタリング

移植合併症の主因となるウイルス感染(EBウイルス感染、アデノウイルス感染、BKウイルス感染など)をリアルタイムPCR法と呼ばれる高感度かつ定量的な検査法を用いて移植後早期からモニタリングし、ウイルス感染症の早期発見に努めています。また、この検査法を用いて全国の移植施設のウイルス感染症の診断にも協力しています。

白血病に対する微小残存病変のモニタリング

白血病に対する移植では、移植後に残存している1000個に1個から100万個に1個レベルの腫瘍細胞(微小残存病変)をリアルタイムPCR法で追跡し、分子生物学的再発を早期に診断しています。

移植前処置の軽減化

小児の造血幹細胞移植では、移植後の晩期障害(不妊、成長障害など)が問題となります。当科では晩期障害の一因となる全身放射線照射量を減量した移植前処置を積極的に取り入れています。

「e-MADO」(イーマド)による移植患児の心理的ケア

造血幹細胞移植を受ける患児は、数週間にわたり移植無菌室に隔離されることによって強い心理的ストレスを受けます。それに対し、私たちは本院の医療情報部とインターネット遠隔交流システム「e-MADO」を共同で開発し、無菌室と移植患児の自宅あるいは本院院内学級を音声とテレビ映像でつなぎ、移植患児の心理的ケアを図りました。

この試みは全国でも高く評価され、文部科学省主催「第6回インターネット活用教育実践コンクール」において内閣総理大臣賞、第28回日本造血細胞移植学会において学会奨励賞を受賞し、骨髄移植推進財団の「骨髄バンクニュース」でも大きく報じられました。

e-MADOに関するお問い合わせは下記までお願いします。

e-MADO

〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1
信州大学医学部附属病院 総合遠隔診療室内
Tel.0263-38-7156
FAX.0263-38-7564

国際医療支援

日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)との共同で、チェルノブイリ原発事故の被災国であるベラルーシ共和国に対して、衛星通信および現地での移植医療を通じて国際医療支援を行っています。

お問合せ先について

ご質問のある方は、下記までお問い合わせ下さい。

小児科(外来)

Tel.0263-37-2776

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